ゴールデンベイとラムラビーチで喫煙禁止へ

マルタのビーチで喫煙禁止

マルタ政府は、2026年1月1日からゴールデンベイ(マルタ島)とラムラビーチ(ゴゾ島)で喫煙を禁止すると発表しました。指定された喫煙所以外での喫煙は罰金の対象となります。

マルタのビーチ2026年から喫煙禁止

マルタ政府は、2026年1月1日よりマルタ島のゴールデンベイとゴゾ島のラムラビーチで喫煙を禁止する新たな規制を導入すると発表しました。これは「Smoking Control on Beaches Regulations, 2025」に基づくもので、9月23日に官報で告示されました。

両ビーチでは指定された喫煙所以外での喫煙が禁止されます。喫煙所には吸い殻入れが設置され、定期的に清掃・管理が行われる予定です。違反者には150ユーロの罰金が科されます。

この取り組みは、環境資源庁(ERA)、観光局(the Malta Tourism Authority)、地方執行機関(LESA)、警察、そして保健省など複数の機関の協力により実施されます。

マルタビーチタバコ

環境と健康を守るためのパイロットプロジェクト

マリアム・ダリ環境大臣は、この規制の狙いについて「タバコの吸い殻は分解に長い年月を要し、海洋汚染の一因となる。マルタも他国同様、環境保護のため行動を起こす時だ」と強調しました。

また、ジョー・エティエンヌ・アベラ保健大臣は、この取り組みを「公共空間をより健全にするためのパイロットプロジェクト」と位置づけています。

実際、タバコの吸い殻はEUの規制で「使い捨てプラスチック(SUP)」に分類されており、長期にわたり有害な化学物質やマイクロプラスチックを海洋に流出させる可能性が指摘されています。

公衆衛生への効果

公衆衛生監督官のチャーメイン・ガウチ教授は「この取り組みは受動喫煙による健康被害を大幅に減らすことが期待できる」と述べました。受動喫煙は呼吸器疾患や心血管疾患、がんなど、深刻な健康リスクを引き起こすことが知られています。

今回のビーチ喫煙禁止は、20年前に導入された公共交通機関や屋内公共施設、学校、遊具付き公園などでの全国的な禁煙措置を補強するもので、マルタ政府の包括的なタバコ対策の一環とされています。

国際的な流れの中で

この規制により、マルタはフランス、イギリス、スウェーデン、フィンランドなどと並び、ビーチや公園といった屋外公共空間での禁煙を進める国々の仲間入りを果たします。

環境資源庁(ERA)のケヴィン・メルシーカCEOは、「この施策は、より清潔な空気、安全な公共空間、そして健康的な沿岸環境を確保することを目的としたパイロットプロジェクトの一環です。喫煙者は指定された喫煙エリア内で喫煙することができ、すべての訪問者の権利が尊重されます」と述べています。

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