マルタの住宅価格6.9%上昇

マルタ住宅価格上昇

近年、マルタの住宅価格が急上昇しており、国内外で注目を集めています。2024年には前年比6.9%の増加を記録し、EU平均を大きく上回りました。経済成長や外国人投資の増加が価格上昇の主な要因とされていますが、所得の伸びが追いつかず、多くの住民にとって住宅の購入や賃貸が難しい状況が続いています。本記事では、マルタの住宅市場の現状とその背景、影響について詳しく解説します。マルタで働きたい方や留学したい方は、ぜひ最後まで記事をご覧ください。

マルタの住宅価格上昇がもたらす課題と背景

地中海の小国として、魅力的な気候や豊かな文化遺産を持つマルタは、観光地としてだけでなく、居住地としても高い人気を誇っています。しかし、その人気の高まりとともに、不動産価格が急速に上昇し、多くの人々にとって住宅の購入や賃貸が困難な状況が続いています。

欧州連合(EU)全体の住宅市場と比較しても、マルタの価格上昇率は顕著であり、2024年には前年比6.9%の増加を記録しました。この数字はEU平均の2倍近くに達し、多くの国で価格が下落傾向にある中で、異例の動きといえます。この背景には、経済成長や外国人投資家の増加、人口の増加など複数の要因が絡んでおり、住宅市場はその影響を強く受けています。

しかし、この住宅価格の上昇は、マルタに住む中間層や若年層にとって深刻な課題を生み出しています。所得の伸びが価格上昇に追いつかず、住宅購入が難しいだけでなく、賃貸市場でも負担が増加しているのが現状です。

マルタの住宅

EUとの比較とマルタの住宅市場の変遷

マルタの住宅価格はここ数年で急激に上昇しており、特に2024年の統計では前年比6.9%の増加を記録しました。この数字は欧州連合(EU)の平均上昇率である3.8%を大きく上回り、ユーロ圏の2.6%をも超えています。他のEU諸国の中でも、ブルガリア(16.5%増)やポーランド(14.4%増)などが大幅な上昇を記録していますが、フランス(-3.5%減)、フィンランド(-2.8%減)、ルクセンブルク(-1.7%減)といった国々では価格が下落しています。このような状況下で、マルタの住宅市場は例外的な成長を遂げています。

過去20年間のマルタの住宅市場を振り返ると、2000年から2003年にかけて住宅の手頃さが最も高く、住宅購入が比較的容易でした。しかし、2004年以降、住宅価格が所得の増加を上回るペースで上昇し、住宅手頃さ指数(HAI)が大幅に低下しました。特に2004年から2008年にかけての価格急騰は、新規購入者にとって住宅市場への参入を困難にしました。その後、2008年から2009年の世界金融危機は経済全体に影響を与えたものの、マルタの住宅価格は下落せず、2010年代に入ると再び上昇傾向が続きました。

2020年代に入ると、パンデミックの影響で一時的に価格の上昇ペースが緩やかになりましたが、2021年以降は再び増加が加速しました。特にマルタでは、経済成長や人口増加、外国人投資家による需要の増加が、住宅価格上昇の主要な要因となっています。一方で、所得の伸びが価格上昇に追いついておらず、住宅の購入や賃貸が多くの住民にとって負担となっているのが現状です。

まとめ

マルタの住宅価格は近年急激に上昇しており、2024年には前年比6.9%の増加を記録しました。この上昇率はEU平均を大きく上回り、経済成長や外国人投資家の増加が要因とされています。しかし、所得の伸びが価格上昇に追いつかず、多くの住民にとって住宅購入や賃貸が困難な状況です。特に、2004年以降、住宅価格の急騰により新規購入者にとって参入が難しくなりました。政府は支援策を講じていますが、供給不足などの課題は依然として残ります。

マルタの物価や家賃については、マルタの物価・生活費の記事にまとめているので、そちらを参考にしてください。